体験記(A子さんの場合)
ああ、疲れた。夏至を超えて、外気と冷房の温度差にやられるし、仕事疲れも限界。
いますぐ癒やされたい、体もメンテナンスしたい……。
今回は、そんな思いから、意外な世界の扉を開けてしまったA子さんの話です。
肩こりは国民病とも言われるぐらい、多くの人を悩ませ続けています。
肩甲骨剥がしという施術が流行中なのも、その証左のひとつですが、肩こりに限らず、個人施術のマッサージ店では、資格のない施術で多くのトラブルが寄せられているのも事実です。なかにはいかがわしいものも含まれていると聞きます。
「今って空いていますか? アロマオイルのリンパマッサージ90分で」
A子さんは派遣で百貨店勤務の37歳。コスメカウンターでメイクアイテムの販売をしている、いわゆる美容部員だ。
元々コスメブランドの社員だったが、出産を機に退職。子供が4歳になり、少し手が離れたので仕事に復帰している。
だが、家と仕事の両立に加え、今年のこの暑さで疲労は蓄積するばかり。立ち仕事のせいもあり足は浮腫んでパンパンな棒のような状態で常に疲れている。
そんなA子さんの癒しはマッサージ。週一程度でお決まりのサロンへ出かけてリフレッシュするのが、A子さんのお決まりだ。頑張っている自分へささやかなご褒美、といったところである。
ある日、夫に子供を預け、友人と久しぶりにランチに出かけた。その帰り道、駅の近くで
「マッサージ」の文字を見つけた。
看板を見れば、女性限定。
料金もリーズナブル。A子さんが好きなアロマの施術もある。整体系のマッサージも時間がない時にはいいが、本当に癒されたい時はアロマに限る。
リンパを意識して全身を滑らかにマッサージすると、毒素も排出されて翌日の復活力が違う。美優はそのことを良く知っていた。
ここ、なんか良さそうだな……。女性限定っていうと、良いセラピストがいることが多いし。
看板の説明にピンときた美優は、サロンのドアを開けた。
白を基調としたシンプルで小綺麗なフロントには、女性が一人腰をかけていた。その女性に説明をしてもらい、アロマのリンパマッサージ90分コースを選んだ。
「こちらへどうぞ。アロマになりますので、ショーツ一枚にお着替えいただき、横になってタオルをかけてお待ちください。施術者が参りますので」
アロマのコースではオイルが服に付かないようショーツ一枚になることが普通。何も疑わず、言われた通りにして施術者が来るのを待った。
それから数分後、カーテンの向こうで低い声がした。
「失礼します」
「え? なに? 男性?!」
A子さんは取り乱すほどに焦った。目の前に現れたのが、微笑みを浮かべた男性だったからだ。
A子さんは一瞬にしてパニックに陥り、頭の中でグルグルと考えが回り出した。赤面しているのが自分でもよくわかるぐらいだ。
「どうしよう、え、キャバクラじゃないんだからチェンジっていうのも変だし、っていうか、私このタオルの下はパンイチだ! 顔も見られてるし。変なマッサージじゃないんだろうな……。そういえば、以前ハワイに行った時、ラグジュアリーホテルでアロマ施術受けたときも男性のセラピストだったな。今はそれが普通なのかな、だったら断ったら悪いかな。それにしても恥ずかしい。無駄毛ちゃんと処理してたかな……」
そんなことを考えているうちに、男性セラピストは、複数枚タオルを使って上手に体の施術部分のみが出るようにした。
「ではアロママッサージ90分始めさせていただきます」
「え? どうしよう……。でもちょっとタイプだし、まあいいか。もう会うこともないし」
そう考え直し、緊張しながらもそのまま受けることにした。
普通のアロママッサージ、そう思って。
時間が経過していくと、足の付け根のリンパや臀部(お尻)、バスト周辺の結構際どい部分まで丁寧にマッサージをしてくれた。もちろん性的なサービスという主旨ではない。リンパマッサージなら当たり前のことだ。
ただ、男性的な力強さがありながら滑らかな官能的なタッチにA子さんはどんどん酔っていった。
セックスをしているわけではない。単なるアロママッサージのはずなのに、これだけ刺激的で癒される施術はされたことがなかった。それは、ハワイで受けた男性のセラピストとは異なりセクシャリティを感じられるマッサージだったからかもしれない。
終了時には、A子さんはすっかり骨抜きにされてしまっていた。ボサボサの髪を押さえながら、
「ありがとうございました。なんていうか……。今まで受けたことがないぐらい気持ちよかったです。あの、次また指名してもいいですか? お名前は?」
気がついたら、A子さんは名前を訊いていた。
「もちろんです、よろしくお願いします。山本といいます。」
そういって満面の笑みをした。
それからというもの、A子さんは山本さんのマッサージを受けに足繁く通うようになった。セックスではない極上の癒しを求めに。
だが、その一線を超えてしまったら、この極上の癒しはもう味わうことができなくなるかもしれないと思い、個人的な誘いをすることはしなかった。
施術者もあくまでも仕事と割り切っているようで、個人的な動きをみせることはなかった。
夫がたまに風俗に行っているのを黙認していたが、その夫の気持ちがすこしだけわかったような気がしたA子さんだった。
不倫ともまた違う、ある意味「健全なる癒しの範疇」。
完全に沼にハマったな、そう感じずにはいられなかった。
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